鞍馬寺仁王門
鞍馬寺の入り口、仁王門(山門)。この先の鞍馬山の山復には鞍馬寺の殿堂が数多くあります。仁王門をくぐって右に曲がるとケーブルカー乗り場、左に曲がると九十九折(つづらおり)参道に続きます。
新緑の5月、特にゴールデンウィーク中の京都はどこも混んでいます。そこで涼を求めて緑鮮やかで水の清らかな洛北の山里、鞍馬・貴船へ足を延ばすことに。9:30に出町柳駅を出発して14時過ぎに戻ってくる約5時間のコース。鞍馬寺から貴船神社までは鞍馬山を超えて約90分(約2㎞)のハイキング。貴船神社にお参りしたあとは清流の貴船川で川床料理をいただくという充実した観光コースです。新緑の季節だけでなく、夏は涼しく秋は紅葉が綺麗でおすすめです。
鞍馬・貴船に行くための出発点は叡山電車の出町柳駅。
電車で行く方はまずはこの駅の最寄り駅・京阪電車の出町柳駅(叡山電車とは改札口が別々)を目指してください。京阪電車の駅が徒歩圏にあれば京阪出町柳駅へは簡単に着けます。
京都駅からは地下鉄烏丸線で烏丸御池駅へ、ここで地下鉄東西線に乗り換え2駅目の三条京阪駅で京阪電車に、所要時間は約25~30分。
京都駅から何度も乗り換えたくない方は、京都市バス「4号系統 四条河原町・上賀茂神社ゆき」「17号系統 四条河原町・銀閣寺ゆき」、あるいは京都バス「17系統 大原ゆき」で出町柳駅前までは約30分。ただ渋滞でもっと時間がかかるかもしれません。
9:30出町柳駅発の電車で終点鞍馬駅へ。2両編成で全列車ワンマン運転です。前もって時刻表を調べておけば、展望列車「きらら」に乗車できます。
鞍馬といえば鞍馬天狗。駅構内にも天狗のお面が飾られています。駅舎は寺院風の木造建築でレトロな雰囲気です。
鞍馬駅前にある天狗像。
高さ4.0m(天狗の顔の高さは1.8m)です。
鞍馬駅を出て鞍馬街道を少し歩くと鞍馬寺の入口・仁王門前の階段下に出ます。ここから鞍馬寺本殿金堂を経て、貴船に抜ける奥の院参道を通って貴船神社に向かいます。鞍馬山は山岳修験の霊山でパワースポットとしても知られています。
ハイキングといってもそこそこの山道なので歩きやすい靴で入山してしてください。鞍馬山を超える道なので前半は少しつらい登りですが、後半はほぼ下り。時々逆回りで貴船から鞍馬に抜ける人とすれ違いますが、貴船から登る道の方がかなり厳しいです。
貴船に抜けるまで約90分(個人差があります)、美味しい空気を味わいながらパワーをもらいました。
鞍馬寺の入り口、仁王門(山門)。この先の鞍馬山の山復には鞍馬寺の殿堂が数多くあります。仁王門をくぐって右に曲がるとケーブルカー乗り場、左に曲がると九十九折(つづらおり)参道に続きます。
九十九折の最初の折れの手前に鞍馬寺の鎮守神の由岐(ゆき)神社があります。境内には京都市天然記念物に指定されている願掛け杉があり、一心に願えば願い事が叶うとされています。
義経公供養塔は、義経が幼少のころ(牛若丸時代)に住んでした東光坊跡に昭和15年に建立されました。
九十九折参道にある朱塗の双福橋一帯は双福苑と呼ばれています。橋の傍らにそびえる杉は「玉杉大黒天」と崇拝されています。九十九折参道はまだまだ続きます。
本殿金堂の御本尊は秘仏で60年に一度丙寅の年に開扉されます。次は2046年。
金堂前には三角形の石で六芒星が描かれています。「金剛床(こんごうしょう)」と呼ばれ、鞍馬寺でも随一のパワースポットです。「その中心に立ち両手を広げて空を仰げば宇宙と一体化して願いが叶う」と言われていて、体験したい人で行列ができています。
本殿金堂の正面を通り、奥の院参道へ石段を登ります。
奥の院参道を進み、木の根の道を過ぎると「僧正ガ谷」。この辺りは牛若丸が天狗に兵法を習ったところ。奥州で非業の死を遂げた義経の御魂は、懐かしい鞍馬山で遮那王尊として祀られています。
義経堂の向かい側にある僧正ガ谷不動堂には、伝教大師(最澄)が彫ったと伝えられる不動明王が安置されています。牛若丸(源義経)と鞍馬天狗が出会った所とも伝えられています。
残りはほぼ下り道。鞍馬寺西門を出ればもう貴船です。
貴船(きふね)神社は万物の命の源である水の神を祀る全国二千社を数える水神の総本宮です。鳥居をくぐると表参道の石段の両側に朱色の春日灯籠が並び、5月の頃は青もみじの緑がとても鮮やかです。
貴船神社本宮は水を司る「高龗神(たかおかみのかみ)」を祭神として祀っていて、御神水に浮かべる水占(みずうら)みくじが有名です。
本宮にある御神木の桂は樹齢400年。
貴船神社は絵馬発祥の地とも言われ、青紅葉の絵馬はこの時期限定です。
貴船川沿いの道にはたくさんの御料理屋さんが並んでいて、5月に入ると川の上に床が設置されます。貴船では川床(かわどこ)と呼ばれ、その上に設けられたお座敷でお料理を味わうことができます。すだれ屋根が直射日光を遮ってくれて、ぶら下がった提灯に風情があります。
( 鴨川では「床(ゆか)」と呼ばれます。)
貴船神社本宮から結社・奥宮に向かう途中、歩きながら見つけたお店は少人数向けの川床の席がある「貴船茶屋」さん。
満席でしたがちょうど席が空き、清流の水面を間近に涼をとりながら昼のミニ会席をいただきました。
縁結びで有名な貴船神社結社(ゆいのやしろ)と奥宮の間に相生の杉があります。
奥宮の鳥居をくぐると朱色の思ひ川橋。
貴船神社本宮が奥宮にあった頃、参拝するときに心身を清めた「御物忌(おものいみ)川」が「思ひ川」に変わったと言われています。
ここが貴船神社創建の地です。深い緑に囲まれていて厳かな雰囲気です。奥宮本殿の真下には巨大な龍穴があるとされていて、パワースポットとして有名です。
鞍馬・貴船散策を終え、貴船から叡電貴船口駅まではバス(京都バス)で帰ります。運賃は170円、所要時間約5分。バス停は貴船神社本宮の鳥居から少し下ったところです。曜日や時間帯にもよりますがバスは7~15分間隔で運行されています。
叡電貴船口駅まで歩けば25分ほどの道のり(約2km)ですが、道路が狭く時期によっては交通量も多いのでバスに乗ることをお勧めします。
13:36貴船口発の叡山電車に乗り14:05出町柳駅着。
朝9:30に出町柳駅を出発してから5時間弱。京都中心部から少し足を延ばして新緑まぶしい鞍馬・貴船を堪能することができました。